秋の夜長に時間の長さを


ねんねんよおころりよ
寝ないとねずみに引かせるぞ
起きると置屋につれてくぞ

―――「郭公の巣」より

 

 

読書の秋、という言葉に倣いまして

今宵はひとつ、私の好きな樹木の小説を。

 

千年樹 [ 荻原浩 ]

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感想(11件)

理論上では、樹木には寿命が無いとも言われています。

しかし種類によっては数十年~数十年と具体的に寿命のあることがわかっているものもあります。

また移動の出来ない植物には生育環境が多大なる影響を与えるため、理屈通りにはいきません。

 

 

それでも人間よりは遥かに長い年月を生き抜いて

そのため何人もの人間の生き死に様を見てきた

とあるくすのお話です。

 

 

くすの木を取り巻く人間模様は、切なかったり、哀しかったり、ちょっぴり怖かったり。

あまりにも淡々と描かれる情景は、現実には重くすら感じられます。

 

面白いのはその構成で、各短編中に2つの時代の人々が不可思議に交錯します。

そしてすべての短編を読み終わる頃には、この1冊が「連作」であることに納得するでしょう。

 

 

萌芽から落枝まで。そしてまた繋がってゆく命。

時間の流れを噛みしめつつ、ぜひ夜更けの早さも感じてください。

 

千年樹 [ 荻原浩 ]

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それではよい夜を。おやすみなさい。

 




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